海外赴任が、私を変えた ― ブラジル・オランダ・イギリスで見つけた、人生とキャリアの可能性
初めての海外赴任。その知らせを聞いたとき、私の頭に浮かんだのは「ワクワク」ではなく、「どうしよう…」という不安でした。 でも今では、こう思っています。「あの経験が、私の人生を変えてくれた」と。
ブラジル ― 自然と共に自分が広がっていく国
最初の赴任地はブラジルでした。文化も言語もすべてが新鮮で、驚きの連続。それでも私の心を掴んで離さなかったのは、大自然の圧倒的なスケールです。 イグアスの滝の轟音に身を包まれたとき。パンタナールで見た夕暮れの湿原と、野生動物たちのたたずまい。「人間って、ちっぽけで、でもだからこそ生きるって美しい」。そんな気持ちが込み上げました。
現地の駐在員で構成されたサッカーチームに参加し、家族ぐるみの交流が広がったことも大きな財産に。文化や価値観の違う環境での交渉力も磨かれ、ポルトガル語にも挑戦。1年目は苦労の連続でしたが、2年目には何とか意思疎通ができるようになり、3年目には多くの人の前で自分の意見を伝え、セミナーで話すことができるようになりました。外国語への大きな自信にもつながりました。
オランダ ― 多国籍チームの中で育まれた視座
次の赴任先はオランダ。ここでは、「違いを前提に働く」経験をしました。 イギリス・ドイツ・フランス・北欧・南欧など多様な同僚と、異なる言語や価値観のもとで同じ目標に向かう日々。どうすればチームが同じ方向を向けるのか。常に自分に問い続けながら、仕事に向き合いました。
会社上層部の威厳を大切にする英独、平等重視するオランダ、管理統制を嫌うイタリア・スペイン、独自性を大切にする北欧など、各国の文化常識の違いの中で物事を決めていく過程は、まさに異文化マネジメントの連続でした。そのなかで、人の話を聴く、自分の考えを論理的に説明する、妥協できるところはする──そんな基本を大切にしながら、欧州チームをまとめていく経験は、私にとって大変貴重な体験となりました。
リーダーシップとは、声の大きさではなく「違いを尊重しながら前に進める力」。オランダでの日々は、そんな価値観を私に教えてくれました。
イギリス ― 自分らしさを再発見できた場所
イギリスでは、日本と文化的に似ている部分もありましたが、個々がしっかりと意見を持ち、堂々と表現する姿勢に驚きと学びがありました。時にはその率直さに傷つくこともありましたが、同時に頼もしさも感じました。
妻の出産トラブル時には、病院スタッフが徹夜で他の病院からの応援を含めた緊急対応をしてくれました。また、現地人上司からも、妻の状態が改善するめどが立つまで1か月ほどの休暇するよう言ってくれました。困ったときの人々の支援態度や体制やのありがたさを本当に実感しました。
子どもたちは現地校に通い、次男はすぐに馴染みましたが、長男は最初なかなか適応できませんでした。そんな彼も、サッカーチームでの活躍や友人関係を通じて徐々に適応。最終学年のクリスマス講演会では、英語でのセリフのある役を堂々と演じ、胸が熱くなったのを覚えています。
私自身も、週末には家族との自宅バーベキューを楽しんだり、湖水地方を旅したりする中で、「家族との時間の豊かさ」を改めて実感しました。異なる社会に身を置くことで、日本の良さや、自分自身の価値観にも気づくことができました。
海外駐在の「4つの魅力」まとめ
キャリア面:世界で通用するスキルと自信
- 異文化交渉力・語学力・多国籍マネジメント力が身につく
- 本社では得られない裁量があり、帰国後の昇進に活きる
- 「日本流」だけにとらわれない柔軟な視点が養われる
経済面:生活の質と可処分所得の向上
- 家賃・教育費・医療費(※一部企業補助)などが会社負担になるケースも多い
- 物価が安い国では貯金や投資の余裕も生まれる
人生・家庭面:家族と深まる絆と成長
- 日本よりも家族と過ごせる時間が多くなる
- 子どもにとって多文化環境での教育は貴重な経験
心理面:新しい自分に出会える場所
- 日常のしがらみから離れ、非日常の中でリフレッシュ
- 同調圧力が少ない環境で「素の自分」でいられる安心感
不安の先には「人生の糧」が待っている
海外赴任は、不安や困難も伴います。 でもそれ以上に得られるのは、“人生を支える糧”だと私は思っています。 異文化に揉まれながら育つ家族、自分の価値を見つめ直す時間、そして何より「やりきった」という自信。 それらは、人生のどんな局面でも支えになってくれるものです。
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