海外駐在10.5年の経験から学んだこと〜「なんで駐在を受けたんだろう」と思っているあなたへ〜

「駐在なんて受けなければよかった」——その気持ち、よくわかります。

「なんでこんな苦労をしなきゃいけないの?」
「日本にいた方が、家族みんな幸せだったんじゃないか?」

そんなふうに、ふと後悔の気持ちが湧いてくること、ありませんか?
私も、10年半の海外駐在生活の中で、同じように何度も悩みました。

でも今、こうして振り返ってみると、**「駐在を選んだことは間違いではなかった」**と心から思えるのです。                   この記事では、私の体験談をもとに、「駐在を受けてよかった」と思える日がきっと来る、ということをお伝えしたいと思います。
いま不安や後悔でいっぱいの方の心が、少しでも軽くなれば幸いです。

ブラジル:大自然が教えてくれた「人間は自然の一部」

私の駐在生活のスタートはブラジルでした。
文化も働き方も日本とは全く違う環境に、戸惑いの連続。

そんな中で、家族と一緒に訪れたパンタナールは忘れられない体験です。
広大な湿地帯で、ジャガー、カピバラ、カイマンなどの野生動物と出会い、日が沈み、星が降るような夜空の下で感じたのは、            *「自分は自然の一部にすぎない」という感覚でした。忙しさに追われていた日々では見えなかったものが、ここではたくさん見えました。
悩みごとも、自然の中では小さく感じられ、不思議と心が軽くなったのを覚えています。 また、ブラジル人の「失敗を気にしない」姿勢にも救われました。ちょっとしたミスで落ち込んでいると、「気にするな、大丈夫!」と笑って声をかけてくれる。
「完璧でなくてもいい」「まずは楽しむことが大事」——そんな人生観は、日本では得がたい学びでした。

オランダ:合理性とフラットな人間関係に驚く

次に赴任したのがオランダです。
ここでは、合理的で効率的な働き方と、年齢や肩書きにとらわれない人間関係に驚かされました。

例えば会議では、結論から話すのが当たり前。ダラダラした前置きはありません。

また、年下の社員でも社長に率直に意見を言える雰囲気があり、「誰が言ったかより、何を言ったか」が重視されていました。

学校でも、先生と子どもの関係は非常に対等で、授業中も自由に質問できる雰囲気。
ただし、わが子たちはこうした文化になじむには時間がかかりました。
現地の子どもたちのように「自分の意見をどんどん言う」ことに戸惑い、悩む姿もありました。

それでも、私自身がこの文化に触れることで、「立場や肩書きにとらわれず、対等に対話することの大切さ」を学びました。

この経験は、今のカウンセラーとしての仕事にも大きく影響しています。

イギリス:助け合いと伝統の中にある誇り

最後の駐在地はイギリスです。
この国では、「困っている人を自然に助ける文化」「伝統を大切にする心」がとても印象的でした。

地下鉄でベビーカーを抱えた親子がいると、誰かがすぐに手を貸す。道に迷っていれば、丁寧に案内してくれる。
それは「特別な親切」ではなく、ごく自然な行動として行われていました。また、歴史ある建物や景観を守りながら、                そこに現代の暮らしを融合させる姿勢にも感銘を受けました。
伝統を大切にするということは、「変わらない」ことではなく、「本質を守りながら進化すること」なのだと感じたのです。

そして、こうした文化に触れる中で、私はあらためて「日本の素晴らしさ」にも気づかされました。

時間を守ること
思いやりを持つこと
細やかな気配り

日本では「当たり前」とされることが、世界では尊敬される価値だったのです。

子どもたちが得たもの、家族として育んだこと

現地で育ったわが子たちは、最初こそ戸惑いもありましたが、国をまたいで過ごす中で、徐々に柔軟性と自分らしさを身につけていきました。

必ずしも「現地の文化に馴染む」ことが目的ではありません。
「違いを認めながら、自分の価値観を大切にする」——それを家族で考える機会になったと思います。

駐在生活は、ときに厳しく、孤独な場面も多いですが、家族で過ごしたその時間はかけがえのない宝物です。

まとめ:駐在を選んだあなたへ伝えたいこと

駐在生活は、決してラクなものではありません。
でもそのなかで得られる経験、視点、価値観は、あなたの人生を豊かにするかけがえのない財産になります。                    駐在を受けたことは、間違いではありません。あなたが感じている葛藤や不安は、やがて「力」になります。

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