ポジティブ思考の落とし穴—「前向きになれない自分」を責めないで

「もっと前向きにならないと」
「ポジティブに考えよう」
そんな言葉に、心が苦しくなった経験はありませんか?

私たちは、悩みを抱えたときほど“前向きに考えよう”と努力します。もちろん、前向きな思考は大切ですし、気持ちを切り替えることが功を奏すこともあります。

でも、ポジティブでいなければならないと思うあまり、「前向きになれない自分」を責めてしまっていませんか?
今回はそんな“ポジティブ思考の落とし穴”についてお話ししたいと思います。

■ポジティブでいられない自分を責めないで

ネガティブな感情を持つことは、人としてごく自然なことです。
悲しいときに落ち込んだり、不安なときに動けなくなったりするのは、決して「弱いから」ではありません。

しかし現代は、SNSやメディアの影響で「ポジティブでいること=正しい」といった風潮が強くあります。「前向きでいなきゃ」「笑顔でいなきゃ」と思い詰めるあまり、気持ちがついていかない自分をさらに責めてしまう方が少なくありません。

でも、本当に必要なのは、“今の自分の気持ち”をそのまま認めることではないでしょうか。

■「相談すること」は前向きな選択

誰にも言えない悩みをひとりで抱えてしまっていませんか?

実は、カウンセラーという仕事に携わっていて感じるのは、「前向きになれない自分」に悩んでいる方が非常に多いということです。そして、その悩みの多くは“相談すること”によって少しずつ軽くなっていきます。

心のモヤモヤを言葉にして誰かに伝えることは、とても勇気がいることかもしれません。でもそれは、「弱さ」ではなく「回復しようとする力」の現れです。

悩みを相談することは、ポジティブになるための近道ではなく、自分を大切にするための第一歩なのです。

■カウンセラーの仕事は“アドバイス”ではなく“寄り添うこと”

「カウンセラーってアドバイスしてくれる人ですか?」と聞かれることがあります。

もちろん必要に応じて情報提供をすることもありますが、私たちカウンセラーの仕事の本質は、「アドバイスをすること」ではありません。

カウンセラーは、あなたの話に耳を傾け、言葉にできない感情に寄り添い、一緒に整理していくパートナーです。
「こう考えたら前向きになれますよ」と無理にポジティブな方向へ導くのではなく、今感じていることを安心して話せる場をつくることを大切にしています。

■ネガティブな気持ちが教えてくれるもの

ネガティブな気持ちには、必ず意味があります。

たとえば、「不安」は“まだ準備が整っていない”という心のサインかもしれませんし、「怒り」は“本当は大切にしたいことが傷つけられている”というメッセージかもしれません。

大切なのは、その感情を「消そうとする」のではなく、「丁寧に見つめ直してみる」ことです。

■一人で抱え込まずに、話してみませんか?

もしあなたが今、「前向きになれない自分はダメだ」と思っているなら、どうかその気持ちをひとりで抱え込まず、誰かに話してみる勇気を持ってみてください。

カウンセリングは、特別な悩みを持った人だけのものではありません。
気持ちが整理できないとき、自分を責めてしまうとき、ちょっと心が疲れたとき。
そんなときこそ、カウンセリングは力になります。

▽ カウンセリングのご案内 ▽

「悩みを話したいけれど、どう伝えていいか分からない」
「まずは話を聞いてほしい」
そんな方のために、当オフィスでは30分の無料オンライン相談を行っています。

経験を活かし、元海外駐在経験者のカウンセラーが、あなたの心にやさしく寄り添います。
匿名でもOKですので、お気軽にご連絡ください。

▶ ご予約・詳細は【カウンセリング案内ページ】をご覧ください。

最後に

「前向きになれない自分」も、あなたの一部です。
その気持ちにふたをせず、大切にしてあげてください。

あなたがあなたを大切にすること—
それこそが、ゆるやかに前を向く力になっていくのだと思います。